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反駁の練習:問題6


問題:以下の議論において、否定側は苦しい議論となりました。
どうすれば議論を有利に持って行けたでしょうか?

論題:日本は選挙の棄権に罰則を設けるべし
■否定側
デメリットは国民の不満が増加することです。
現在の低投票率の原因は政治にあります。
民意を反映しない、国民不在の政治が行われているから、国民が政治を見放して低投票率となっているのです。
低投票率の責任が政治家にあるにもかかわらず、選挙の棄権に罰則を設けることは、政治家の責任を国民に転嫁していることに他なりません。
したがって、国民の不満が増加するのです。
■肯定側
否定側は、政治に民意が反映されていないのは政治家だけの責任のようなことを言いましたが、それは誤りです。
国民にも責任があるのです。
なぜなら、政治家を選んだのは国民だからです。
優秀な人材や政党を選べない国民にも責任があるのです。
国民にも責任がある以上、責任転換にはなりません。つまり、不満は増大しません。
■否定側
政治に民意が反映されていないのは政治家だけの責任です。
選挙のときばかり国民受けすることを述べ、いったん当選してしまうと、平気で公約を破ったり、一部の者の利益にしかならない政策を強行したりすることに問題があります。
このように政治家にこそ問題があるにもかかわらず低投票率の責任を罰則という形で国民に転嫁すれば、国民の不満を招くのは必至です。
■肯定側
政治に民意が反映されていないのは国民にも責任があります。
否定側は、政治家が、いったん当選してしまうと公約を破り、一部の者の利益にしかならない政策を実施するのがいけないと言っていますが、そういう政治家や政党は次の選挙で選ばなければよいのです。
そういう政治家が繰り返し当選するのは、国民が政治に関心がないので、いい加減に政治家を選んでいるからです。
つまり、政治に民意が反映されていないのは国民に責任があるのです。
解答はこちらです。