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反駁の練習:解答2


否定側の主張は、「公平な評価により、仕事が充実する」であり、一方、これに対して肯定側は、「能力のように目に見えないものを公平に評価することはできない」と反駁しました。
しかし、その後は両者が両者の言い分を主張するだけで、話しは平行線となってしまいました。
これには肯定/否定の双方に問題があります。

■肯定側は反論していない
最大の問題は、肯定側が、否定側の反駁である「能力のように目に見えないものを公平に評価することはできない」に反論せず、自己の主張だけを繰り返している点です。
否定側は、「公平に評価できない」という論拠で、肯定側の「公平な評価により、仕事が充実する」という主張を崩しにきました。
論点は「公平な評価が可能か否か」に絞られたのです。
肯定側はこれに反論しなければ、否定側にリンクを切られたことになります。
■否定側は、肯定側が反論していないことに気づいていない
一方、否定側は、肯定側が否定側の反駁に正しく反論していないことを認識できませんでした。
反駁では攻め手を変えるわけにはいきません(ニューアーギュメントとなり反則)から、肯定側が否定側の反論を無視して、同じ主張を繰り返えした以上、否定側はやはり同じ主張を繰り返さざる得なくなってしまったのです。
では、肯定/否定側はそれぞれ、どうしたら良かったのでしょう。
■肯定側は否定側の反論に受けて立つべし
肯定側は、否定側の「公平に評価できない」という反論に受けて立たねばなりません。
つまり、「公平な評価は可能である」ということを立証しなければなりません。
たとえば、「欧米で年棒制がうまく機能しているのは、公平な評価ができているからと考えられ、日本においても公平な評価は可能である。」というような主張が考えられるでしょう。
■否定側は、肯定側が反論していないことを主張すべし
一方、否定側は、肯定側が否定側の反駁に正しく反論していないことを指摘すべきです。
つまり、「否定側は公平な評価はできないと反論しました。
しかし、肯定側はこれに対して有効な反論をしていません。」のように主張すべきでしょう。
なお、肯定側の「今よりましになるはず」という主張は、「今より公平な評価が可能である」という前提に立った主張ですから、「公平な評価ができない」という否定側の主張を覆さない限り、成り立ちません。
この点も、否定側は指摘すると良かったでしょう。
■ジャッジは?
上記のような議論の場合、ジャッジの判定はそのスタンスにより二つにわかれるでしょう。
あるジャッジは、話が平行線に終わったと見なし、この議論は引き分けであると判断します。
別のジャッジは、肯定側が否定側の反駁を返していないとして、否定側の勝ちと判断するでしょう。
しかし、もし否定側が肯定側の反論が的を得ていないと主張すれば、どちらのスタンスのジャッジでも、否定側の勝ちと判断するでしょう。
このように、話が平行線になった場合は、どちらかが相手の反論に正しく答えていない可能性があります。
反論を受けた場合は、相手が自分の主張のどこに絞って反論してきたのかを正しく判断し、それに対して反論しましょう。
相手の反論のポイントを無視して、自己のラベルを支持することを並べることは無意味です。
また、相手が自己の反論に対して正しく答えていない場合は、そのことを指摘するようにしないと、議論は平行線のまま終わってしまいます。