ディベートの練習1:いいとこ3つスピーチ
授業づくりネットワーク No.157
ディベート・オープン・スペースは、入門講座終了後さらにディベートを学びたい、という人たちが集まってできた勉強会です。
参加者は中学生から引退後の方まで、年齢、職業も多様です。
このディベート・オープン・スペースで行っている様々の練習の方法を紹介してゆきます。
際にディベートをする前には、毎回「いいとこ三つスピーチ」をしています。
この演習の目的は二つあります。

1.アイスブレーク
簡単な実習をすることで、初対面参加者同士の緊張感を緩和することができます。
2.ディベートへの慣らし運転
発想の訓練と発言の口慣らしができます。

やり方は以下の通りです。
一人ずつ、回答と出題を繰り返してゆきます。
最初の人は、問題を出します。

例「車と電車を比較して、電車のよいところを三つあげてください」
  次の人は、すぐに考えて、答えます。
例「電車と車を比較して、電車のよいところを三つあげます。
一つは、大量に運べることです。
車は一度に数人から、数十人ですが、電車なら何百人と運べます。
二つ目は、時間に正確だということです。
車は渋滞などがあって、時間に正確ということはありません。
三つ目は、疲れないということです。
車だと運転をすれば疲れますが、電車なら居眠りをしていても目的地に着けます。
以上、大量に運べること、時間に正確だということ、疲れないという三点から、電車のいいところをお話ししました」
答えたら、次の問題を出題します。
「リンゴとミカン、ミカンのいいとこを三つあげてください」
以下、回答と出題の繰り返しです。

最後の人の出題には、最初の人(出題だけだったので)が答えます。
出題は、以下の点に注意します。
価値論題的なものにします。
政策論題的なもの(現状と現状行なわれていない事とを比較しメリットをあげる)を、出題後すぐに答えるには、回答者の負担が高くギブアップになりがちです。
それに比べて価値論題的なものは、なんとか3つはあげられる上に、柔らかい話題がでやすい事もあり、目的に沿う事ができます。
この演習では「緻密な論理より大胆な発想」出題者も回答者も豊かな想像力とユーモアのセンスが、問われます。